企業が正しく機能するための仕組みづくりのヒント

証券会社の重視する数値がかわると日本経済新聞に出ていました。

手数料より資産残高。

どれだけ手数料を稼いだかではなく、どれだけ資産を預けて頂いたかを指標にする

と言うものです。

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証券会社は、手数料ビジネスです。

以前の基準ではより手数料を稼いだ人が正義です。

どうやったら手数料の高いものが売れるか。

を会社一体となって考えていたことでしょう。

そこには顧客に対する大義は存在しません。

「私たちは、お客様にいかにメリットがあるかを考える。」

と借りに宣言していたとしても、

行っていることは企業のメリットと営業マンのメリットだけになり、

言ってることとやっていることが相反してしまいます。

良く分からない人には高い手数料の物を売る

これでは、人が関わる方が、顧客にとってマイナスになってしまいます。

(AIの方がマシ)

これは、働いているのが「悪い人」かと言うとそういう訳ではありません。

また、企業が「悪」と言うと一概にそう言う訳でも無いと思います。

企業は利益を出さなければいけない

そのためには手数料をたくさんもらわないとならない。

だから、手数料の高いものを正当性を話して売れば、

会社も自分も潤う。

ノルマを果たせなければ、出世も出来ないし、給料も上がらない。

自分が一番大切だから、多少ごまかしても売る。

そんな感じでしょうか。

しかし、このやり方では、いずれ顧客は離れていきますし、

長期的に企業が継続していくことは難しくなることは予想できます。

そうは言っても、既存のシステムから大きく大義を変えることは大変なことだったと思います。

社内の反発もあったでしょう。

そう考えると今回の指標を変えると言うのは素晴らしい判断だと思います。

システムが変わることで、今までの

ノルマに足らないから手数料を高いものを売る

から

お客様に安心して出来るだけ資産を預けて頂きたいから、お客様に最適な物を提案する

に全社内が自然とそちらの思考に移行します。

打ち合わせの内容も、

どうやったら手数料の高いものを売りつけるか。

という刹那的な打ち合わせから、

お客様にとって最適な提案はどうあるべきか。

という打ち合わせの度に心が健やかになる打ち合わせになるはずです。

結果多くの資産を預けて頂け、お客様に喜んで頂きながら、

安定した手数料をもらい続けることが出来ます。

この記事で感じて頂きたいことが2点

1つ、

会社で立てている大義と、

やっていることが相反しては市場から支持されない。

と言うことと。

2つ

どうするのか」というシステムを構築するのは経営者である。

と言うことです。

中小の工務店さんにおいてもその事象は当てはまります。

歩合制で取ってきたら給料が上がるし、ほめてあげる。

自分でどう知ればいいか考えて取ってこい。

これでは、会社の家づくりの方針とは関係なく、何でもいいから取ってこい。

と言うことになります。

それでは、企業として家づくりの大義は無く、

社員と言う名の個人ブローカーの集まりになり、

将来的に企業が継続していくことは難しくなります。

では、どうあるのが理想的なのか。

私の一案です。

まず、KPIを変えます。

KPIとは、重要業績評価指標は、組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群

簡単に言うと何組集客出来たら何パーセント契約できる。みたいな数字のコト。

どう変えるかと言うと、

  • お客様は家づくりでしっかり勉強して、失敗しない家づくりをして欲しい。
  • そのために必要な情報をお届けする。
  • どんな情報をお届けすればお客様の役に立つか
  • どうすれば集まってもらえるか
  • どうすれば伝わるか

を打ち合わせを行い、エラーケースを改善していきます。

一度その打ち合わせをしてみてください。

  • 見学会の接客方法
  • SNSでの発信方法
  • 勉強会の発信方法

すべてのやる内容が変わりスムーズに進み、

お客様との関係も良好になるはずです。

ちなみに、それをしないでいるとどうなるかと言うと、

  • 見学会で自社の家のすばらしさを話す
  • SNSで自社の家のすばらしさを話す
  • 勉強会で自社の家づくりのすばらしさを話す

になり、少々痛い感じになります。

評価をするのは自分では無く他人です。

情報提供はしますが、素晴らしさの売り込みは寒いのでやめておきましょう。

今お伝えしたことは、営業担当では決められません。

営業は「売ってこないといけない」と思っているからです。

経営者がしっかりとその仕組みをつくり、

売らなくても良い。

ただ家づくりに大切だと思うコトをどう伝えていくかをしっかり考えよう。

そして、どういう家づくりをするべきかをもっと精度を高めよう、学ぼう。

と指針をだすことです。

経営者が売ってこい。

と言っているのに、

営業マンが「売ることより、家づくりの大切なことを伝える方が大事です。」

とは言えませんから。

最後にまとめです。

会社が安定した売り上げを形成させるのは経営者の仕事です。

スタッフはそのシステムにのっとって仕事を進めます。

システムが良ければ市場に支持され売り上げは安定します。

しかし、システムが悪ければ、支持されずに売り上げは下がります。

その時、システムを変更するのは社長の仕事です。

会社の大義に沿ってシステム作りは行います。

目先の打ち上げや利益だけを追うと失敗します。

長く地域で愛される工務店になりましょう。