モデルハウスへの集客を目的とした広告（クリエイティブ）を作成する際、その広告を「誰に」見せるか、つまりターゲットを明確に設定していないケースが非常に多く見受けられます。
「とりあえずモデルハウスの魅力を伝えれば人が来るだろう」と、ただ単に物件の特徴を羅列して「見に来てください」で終わってしまう。これでは集客は成功しません。なぜなら、そのメッセージが誰の心にも響かないからです。
広告の「届かない」例：真夏のハワイでダウンジャケットを売る？
なぜターゲット設定が重要なのか、わかりやすい例で考えてみましょう。
たとえば、常夏の島ハワイで、「軽くて機能的なダウンジャケット」を売る広告を作るとします。
「最高の軽さと保温性！」 「驚きの高機能！」
常夏のハワイで、いくら商品の特徴をアピールしても、誰も買ってくれそうにないですよね。これが、ターゲット不在の広告が陥る状況です。
ターゲットを絞ると、伝え方が一変する
しかし、ここで「誰に」売るかを明確にすると、メッセージは劇的に変わります。
実はハワイ島には、富士山よりも高いマウナ・ケアという山があり、雪が降り、夜空の星が非常に美しいことで有名です。ここへ星を見に行く人々がターゲットだとどうでしょうか？
彼らは、山頂の寒さ対策に防寒着が必要ですが、かさばる荷物は避けたいはずです。
ターゲットを絞ることで、一気に魅力的なコピーが生まれます。
星を見に行くのに、かさばるダウンを持っていきますか？
かさばらない、軽いダウンあります。
さらに、「ハワイから極寒の地に旅行に行く人」をターゲットにすれば、メッセージや広告を出す場所も変わってきます。
常夏の島から極寒の地へ
ダウンの準備はお済ですか？
軽くて機能的なダウンが、あなたの旅をサポートします。
このように、ターゲットを絞り込むことで、メッセージの方向性、SNSで届けるべき属性、広告を出す場所など、全てが明確になるのです。ターゲットを決めなければ、「常夏のハワイで、どうやって機能的なダウンを売るか？」という出口のない問題に悩まされることになります。
住宅広告で「誰に」語りかけるか？
この原則は、モデルハウスの集客でも全く同じです。
あなたの広告のメッセージは、
- 「20代で小さな子どもが2人いる、初めてのマイホームを検討する家族」
- 「50代で子どもが独立し、夫婦二人で過ごすセカンドライフのための家を検討する家族」
どちらに届けたいですか？
当然、伝えるべきメッセージは全く異なります。
| ターゲット | 響くメッセージの例 | 広告に載せるべきポイントの例 |
| 20代の子育て家族 | 「家事動線がラクラク！子育てに集中できる間取り」「安心の収納力」 | 広いLDK、キッチン、収納、学区情報、価格帯 |
| 50代の夫婦二人 | 「夫婦の趣味を楽しむ空間」「ヒートショックを防ぐ高断熱な終の棲家」 | 書斎、趣味の部屋、断熱性、バリアフリー、メンテナンス性 |
このようにターゲットを明確にすることで、「どんなメッセージを発信すればいいか」「どんな写真を使えばいいか」といった具体的な戦略が見えてきます。
逆に、ターゲットを決めなければ、誰にも響かない抽象的なメッセージしか作れず、広告費が無駄になってしまうのです。
まとめ：集客を成功させるための第一歩
集客のための広告を作成し、運用する際は、必ず**「誰に」**向けて発信するのかを明確にしましょう。
ターゲット設定は、モデルハウスの集客を成功させるための最も重要な第一歩です。
あなたのモデルハウスに来てほしい理想の顧客像を具体的にイメージすることから、集客戦略をスタートさせてください。
