標準仕様を決める時に、どの様な基準で決めていますか?
お客様に
「あなたの会社の仕様がいいからお願いするわ」
そんな仕様になればいいなと考えていないでしょうか。
その考えには無理があります。
どこに無理があるかと言うと・・・
あなたの会社にだけの独占的な商品は無い
と言うことです。
どこの誰でも買える、どことそれほど変わらない金額で手に入るもの。
その中で、御社の仕様が良いからとお客様は決めてくれることはあるでしょうか。
冷静に考えれば無理なことが分かります。
では、何が重要かと言うと、
プラン提案やデザインなどの付加価値部分が重要になってくるのですが、
そちらに話を広げると総体的な話に発展するので、
今回は仕様設定について説明させて頂きます。
冒頭に、
「あなたの会社の仕様がいいわ」と言うのは無理がある。
とお話ししましたが、ではどういう視点で仕様設定をすればいいのか。
そのポイントの一つが、
「なぜ、その仕様にしたのか」
の「なぜ」に会社の考え方が含まれているというコト。
です。
例えば、
住んでからのメンテナンスコストを考えているので、
コーキングが少ないガルバにしています。
とか、
コーキングは高耐の物を使っています。
設備で言えば、
私どものユニットバスは
- スライドバー無
- 鏡なし
- 窓なし
- 浴室乾燥機なし
です。
と聞いたら皆さんどう思われますか?
今時それは無いよ。
と思う方が多いと思います。
しかし、こう説明したらいかがでしょうか。
お風呂の掃除が大変な場所は、
スライドバー、鏡、窓周りです。
実際アンケートを取るとスライドバーや鏡を使う人はほとんどいませんでした。
窓も断熱的には大きな穴になるので、
断熱性を向上させ、掃除しなくていいならと
弊社の場合は基本窓を付けないでいます。
浴室乾燥機は、電熱線で暖めるので
乾燥させるのに電気をとても使います。
乾燥機をを使われる方は
省エネのドラム式の乾燥機で乾燥させるので、
浴室乾燥機を使うことがありません。
私たちはお客様の暮らしに不必要なモノは
建築コストの無駄だと考えているので
お客様の暮らしに合わせて最適な提案が出来る様、
必要性を吟味した予算の使い方をする家づくりを進めています。
あなたからそう聞いたお客様はどうお感じになるでしょうか。
きっと、そう話されると、「そうだよね」と思っていただけると思います。
大切なのは過剰に自社の仕様が良く見えるようにすることでは無く、
お客様の幸せのためにどうするのがいいか。
をしっかりプロの目で見極め、
会社の家づくりの方向性と合わせてお客様にお伝えすることが大切です。
「うちだけの何かいい仕様」
それは永遠に見つかることが無い。
と言うことをしっかり肝に銘じて仕様づくりをしましょう。