「床下エアコンにしたら電気代が高くなりました。どうしてでしょう?」
と言う質問が来ました。
この言葉だけを聞くとどんな印象ですか?
「床下エアコンにすると電気代が高くなるんだ」
となりますよね?
しかし実は、これは・・・
- 建築物は工務店
- 空調は家電
という業界を分けて考えることで生まれる誤解であることが多いです。
それが1点目です。
どういうことかと言うと、エアコンなどの空調の電気代が高い原因の多くは、
建物側にある
と言うことを考えない工務店さんが意外と多い。
- 断熱性
- 気密性
- 熱交換換気
- 太陽熱のコントロール
これがある基準以上にないと、高性能エアコンであっても
とても電気代がかかってしまいます。
どれくらいの性能であればいいのかと言う基準を誤っている工務店さんが多いです。
例えば、
「ZEH住宅の外皮性能であれば、ゼロエネと言うくらいだから省エネだろう」
とか、
「気密の基準は国が定めていないから重要でないだろう」
とか、
「とにかくUa値が良ければ暖かいはずだから、窓は小さくすればいい」
とか、
誤った基準でつくられた家は、結局冷暖房費が無茶苦茶かかってしまいます。
(特に暖房費がかかります)
今までは住宅の性能に関してのお話でした。
実はそれ以外にも、電気代が高いとおっしゃる理由がいくつかあります。
一番多いのが、
そもそも前提条件が違うというもの。
- マンションに住んでいた時はこれほど電気代がかからなかった。
- 前の家に比べて電気代が高い。
と言った話は結構あります。
まずマンションですが、通常開口部は玄関側と、リビング側の2か所だけ。
断熱の弱点である窓が少ない。南側にリビングがあれば、日射取得もしっかり取れます。
仮に中住戸(上下左右に部屋がある)場合であれば、
とてつもない断熱がされているのと同じことになるので、
さらに冷暖房費がかかりません。
それに対して、戸建ての場合は6面外気に接しているので、
熱の逃げる量が極端に多くなるのです。
マンションはガラス1枚。
新築の家はトリプルガラス。
なのに電気代は新築戸建ての方がかかる。
それっておかしい!
とついついお客様は思われますが、
窓以外の部位の熱の逃げる量が全然マンションは少ないのです。
もう一つは、エアコンの運転方法。
連続運転と間歇運転(オンオフ運転)はどちらが電気代がかからないか。
と言うと、運転時間によりますが、一般的には間歇運転の方がかかりません。
古い家だと、間歇運転にしていたけど、新しい家にしたら連続運転。
連続運転の方が電気代がかからないという思い込みで、
あれ?おかしい。
この家は欠陥じゃ無いだろうか
と思ってしまうお客様もいらっしゃいます。
それだけ床下エアコンへの期待が大きいと言うことですが、
作り手側は、しっかりと誤解が無い正確な情報を提供し、
プロとして必要な条件は何かをしっかり自分で考え、
それをクリアした住まいを提供していくことが大切です。
とはいえ、ここ数カ月恐ろしく電気代が上昇していることが原因と言うこともありますが・・・